平成22年6月26日に新木場の木材会館を会場に「国産材を使った木造住宅を守る会」の定期総会が開催されました。 その概要は以下の通りとなっています。
平成21年度事業報告(第二回定期総会での承認事項)
昨年の6月6日に設立総会を開催した「国産材を使った木造住宅を守る会」は、木の特性を生かし、世界に冠たる技術で作り上げられた日本の伝統工法である木造軸組住宅が現在その技術・技法の伝承が危惧される状況にあることを憂慮し、また、その主要素材である木材を扱う木材流通業界も疲弊・存亡の危機に立たされているとの窮状に直面しており、今まで果たしてきた国産材の安定供給に果たす機能や、いろいろな樹種・品目の木材を適材適所に使用するような情報の伝達や発信の機能までもが失われつつあることを反省したうえで、在来木造住宅の振興を主眼に置き、国産材利用の推進という観点から木材にかかわるいろいろな情報発信を行い、また在来木造住宅の供給にかかわる業種・業容を集大成した形でそこにかかわる人々の総意をまとめ、広く発信して行こうとの趣旨で設立されたものです。
全国の木材関連企業、団体に参画を呼びかけ、現在その会員数は正会員157名・社、特別会員8団体の組織に成長しました。発足後わずか1年を経過したところですが、この間に、ロゴマークの制定、ホームページの立ち上げを行い、木材に関する知識・情報等を活かした活動展開として、木材業界が木造住宅相談の窓口となる機能を有していることをことを一般の方々に広く知らしめるためののぼり旗の製作・販売等を行うとともに、木に親しみ、また身近に木を感じてもらうようなイベント・取組も展開してまいりました。
平成21年度に行った事業及び部会活動
1. 会員組織の拡充に向けた取組
発足1年目の事業であることから、まず会員の拡充を最要件として取り組みました。その成果として、現在、正会員157名・社、特別会員8団体、にまで組織を充実することが出来ました。ただし、現在の会員構成は地域的な偏向等が目立つなど、まだ十分ではなく、創立時の目標にも遠く及ばないのが実情です。会員組織の拡充は大きな課題として引き続き取り組まなければならない事項ですが、本年はまず、組織の充実に欠かせない、ホームページを立ち上げと、会のロゴマークを制定しました。
(1) ホームページの立ち上げ
ホームページは地域別の検索機能を付与した会員名簿と定款等の組織説明事項、部会活動の報告のほか、時期に合わせたトピックス事項を主要な構成項目として作成しました。
(2) ロゴマークの制定
会のロゴマークについては、公募方式で行い、ニッケンホーム代表西山勝男氏(茨城県潮来市)の作品が優秀作として選考されました。
このロゴマークは会が作製したのぼり旗(事業報告3を参照)などに採用しています。商標登録の作業が終了次第、ホームページにも掲載し、弊会の活動に際してはこれを活用する予定です。
2. 行政や関係団体への要請及び連携活動
木材業界の考え方や希望等を行政当局や関連組織等に的確に伝え、要請していくことも会の重要な使命の一つといえます。業界の総意を結集するという観点で、組織の拡充とともに進めていかなくてはならない事項で、本年度は設立総会後、島田泰助林野庁長官を表敬訪問するとともに、静岡県森林組合や日田木材協同組合との意見交換会を開催しました。
(1) 静岡県森林組合連合会との意見交換会
実施月日:平成21年9月14日
相手側出席者:榛村静岡県森林組合連合会会長
議案及び概要:木材業界が直面する問題と在来木造住宅が劣勢に陥っている背景について相互に意見交換を図り、今後双方の連携を深めていくことが合意された。
(2) 島田林野庁長官表敬訪問
実施月日:平成21年9月26日
概要:設立総会時の来賓出席の御礼とともに、長官からは創設の趣旨に賛同すること、また今後の展開に期待していることが表明されました。
(3) 日田木材協同組合及び地元企業有志との意見交換会
実施月日:平成21年12月19日及び20日
相手側出席者:日田木材協同組合及び地元木材企業有志
概要:懇談の結果、参加者から会に対する賛同の意が表明され、日田木材協同組合及び地元木材企業有志で組織する「日本の杉桧を守る会」が当会の特別会員として入会する意向であることが懇談会の席上で表明されました。
なお、日田木材協同組合と日本の杉桧を守る会はともに3月に入会手続きを完了しています。
3. 木材或いは木造住宅に関する普及・啓発活動
国産材の普及啓発や木造住宅の振興にかかわる推奨活動を、一般の方、設計士等、そして木材業界向けとして個別に取組ました。
(1) 一般の方を対象とした取組
一般の方に対するPRグッズとして、のぼり旗の制作を行いました。木材業界から木造住宅の購入者に対して情報発信を行って行こうとの狙いで、「国産材を使った住宅相談窓口」と記載したのぼり旗を制作し、会員社がその店頭や国産材を納入している木造住宅現場等に掲示できるようにしました。木造住宅や木材に関する情報が発信される機会が少なく、また、木材業界は従来から最終消費者に向けた情報発信を怠ってきたとの反省も踏まえた取組です。「木のことは木材屋さんが一番詳しいのだから、そういう情報をわかりやすく発信し、消費者の方から気軽に声をかけていただこう」との期待を込めた取組です。
のぼり旗の販売実績は現状○○○○となっています。
また、一般の方を対象として木に親しんでもらう取組も実施しました。11月7日に丸宇下館市場買方組合の2世有志が組織するMJクラブと共同で木材祭・親子木工教室を開催しました。下館市近辺の4つの小学校に声掛けを行い、当日は親子連れの参加者が集まる中、木工工作や丸太切りなどのイベントが開催されました。
(2) 設計士や工務店を対象とした取組
設計士や工務店を対象に置いた取組も展開しています。7月11日には「長期優良住宅促進法に関する勉強会(丸宇大栄浜買方組合主催)を後援し佐原中央懇民間で開催しました。
また平成22年2月26日には「エコ・住宅ローンの最新情報を住宅営業に使う」と題したセミナー(丸宇大栄浜買方組合主催)にも協力しました。
(3) 木材業界を対象とした取組
木材業界を対象として取組としては、国産材の主力産地からの地域材展示フェアー等に会としての後援を行い、産地との情報交換や意見交換を踏まえて、当会の活動に対する希望等の収集に努めました。消費地サイドでは気付かない点なども産地出荷業者からは意見が指摘されるなど、有益な機械となっています。
4. 会員を対象とした意識啓発活動
木材業界を対象とした意識啓発事業としては、まず、会の設立時に推薦人となっていただいた安藤東京大学会学院教授らが組織する「木のまち、木のいえ推進フォーラム」のセミナーに会員の積極的な出席を呼びかけました。鹿沼で開催されたブロックフォーラムと4月24に芝浦工業大学の豊洲キャンパスで開催された第2回全国大会には、会長以下役員も含め多数の会員が参加しました。
5. 部会活動報告
当会の事業運営に関しては事業推進部会を開催し、以下の事項が検討されるとともにその前後で委員会も開催し、業務の推進を図りました。事業推進部会の議事録は当ホームページにその都度会議報告として掲載していますので、そちらをご参照ください。
平成22年度事業計画(第二回定期総会での承認事項)
木材についての普及・啓蒙を一つの出発点として、在来木造住宅の振興を図り、以て木造技術の伝承までもに資することを狙った当会の取組は、一年目の実績を踏まえ、それを検証し、一段の発展を図る活動を展開していきたいと考えています。
普及・啓蒙という活動は、地道に息長く行わなければ成果が表れにくいものですが、それにめげることなく、2年目、3年目と徐々に活動の輪を広げ、またその成果を上げていきたいと考え、ここに2年目の事業計画を皆様におはかりする次第です。
平成22年度の事業目標は、まず1年目に出来なかったことをフォローアップすること、そして1年目の活動の成果をより大きなものとするように事業内容の充実・発展をはかることです。そのための事業計画としては、
1. 組織活動の拡大・充実
会員組織の活動の拡充を図るために以下の取組を展開します。
(1) 会員拡大のための取組
(2) ホームページの充実――補助事業募集等の案内や手続きの方法等に関する紹介、会員社HPへのリンク、事例写真等の充実等、
2. 行政や関係団体への提言・要請活動
木材業界が切望する施策等の実施を行政府等に積極的に提言・要請・署名活動等
3. 各種木造住宅の振興に向けた取組への積極的な参加
一般向け、建築業者向け、木材業者向けに行うセミナー・イベント等に積極的に検討し、また関係機関が実施する同様の催しについても積極的に参画していく。
4. 会員意識高揚のための活動
会員の意識高揚を図るため、適時勉強会や講演会を企画するとともに、関連団体が実施する活動に関しても会員の参画を促していく。
◇署名活動の展開 『国産材による新生エコポイント制度確立の陳情書』への署名のお願い
国産材を使った木造住宅を守る会では、平成22年度の事業実施の一環として、国産材による新生エコポイント制度確立に向けた陳情書の提出を目指して署名各道を展開することとしました。
署名活動では、地域産材の補助金制度に縛られることなく、国産材全般の使用を小角1本、壁板1枚よりエコポイントの対象商品にすべく、新生エコポイント制度の創設を陳情したい―としています。あらゆる機会を通じて署名活動を展開してまいりますので、会員各位の当署名活動へのご賛同をお願いする次第です。
第二回総会における平出会長及び来賓祝辞の概要
◇平出会長挨拶の概要
平出会長は「本日は皆様月末のお忙しい中にもかかわらず多数のご参加をいただきありがとうございました」と挨拶したうえで、自動車に適用されている補助金制度を例に挙げて「200万円くらいの自動車で45万円程度の補助金がついてくる。片や我々の業界というと煩雑な申請書類の作成を避けて通れず、途中で諦めてしまう事例のほうが多いのが実情だ。制度改革を進めなければならないがそのためには業界の総意を集大成する必要がある。声をまとめ、一つとする必要がある。木材の利用についても、住宅としての商品の見栄えが良ければいい。住宅は10年持てば、というような風潮にながれつつある。これでは健全な社会資本の崇徳にはつながらず、資材を扱う木材業界も絶えてします。このような危機を打開するために国産材を使った木造住宅を守る会は活動を展開していきたい」と強い決意を表明しました。
◇来賓代表 鈴木信也林野庁木材産業課長挨拶の概要
「木材業界は新設住宅着工だけに頼り切った需給体制を考え直していかなくてはいけないのではないかと考えています。そのための分野としては3階建以下の共同住宅や公共建築物等で、これらの需要に対応するには生産・流通体制から検討しなおしていかなければならないと考えます。また、和室需要の減少から和室造作として利用されていた素材の新たな需要開発も必要であると考えます。サッカーでもそうですが、守るだけでは勝てない。是非この会も攻める活動も展開していってほしいと考えます」と、期待を含めた挨拶をいただきました。